鍼灸施術を受ける際に健康保険の方が「安くてオトク」・・・というわけではありません。メリット・デメリットについて。
健康保険を使って施術を受けたい、という方からのご相談に応じていますと
まれに
「健康保険の方が安いからオトク」
と考えている方がいます。
が、
必ずしもそういうわけではありませんし
ケースバイケースで
メリット・デメリットもあります。
公的な保険制度ですので
デメリットというよりも
制約が多い、
というのが正しいかもしれません。
*わかりやすく紹介するために
ここではメリット・デメリット
という表現を使っていきます。
あまり知られていないことかも
しれませんので
少しまとめていきます。
(1)鍼灸を健康保険で受けるメリット
・ 費用が安く済む
→
自己負担がゼロ割の方は0円で
施術を受けることもできます。
3割負担だとしてもその費用は
確実に安くなります。
施術代だけでしたら
ほとんどの場合で500円以下となるでしょう。
(2)鍼灸を健康保険で受けるデメリット
・ 同じ疾患で病院と鍼灸院では並行して
保険診療を受けることができない
→
腰痛症で病院(整形外科)で
治療を受けていたり、
投薬(シップや痛み止め)を
受けている場合は
保険診療の併用できません。
鍼灸治療は自費になります。
・ 1回当たりの金額が決まっている、
(腰痛や五十肩など)
よって、できることも限られる。
→
1回でできることに限りがあるので
症状によっては
週に何回も来所していただくことに
なるかもしれません。
時間に余裕がある方
(ご高齢者の方、
生活保護の方など)
にとってはいいかもしれませんが
仕事をしている方や忙しい方には
厳しいかもしれません。
・ 費用を一度全額支払い
自分で保険者に請求する
償還払いが原則
→
もうすぐ受領委任払いという
窓口負担だけで済むような
制度もスタートします。
・ 医師からの「同意書」が必要
→
医師から同意を得て
書類をもらってこなくてはいけません。
前述のように
整形外科と鍼灸の保険併用はできませんので
整形外科などで書類をもらうのは
難しいと思います。
・・・以上です。
簡単にまとめると以下のような
デメリットがあります。
・ ご高齢の方で比較的時間がに余裕ある方
・ 生活保護を受けている方
・ 出張で何度も施術を受けたい方
などは保険診療でもよいと思いますが
そうでない方は制約のない
自由診療での施術も検討されることを
オススメします。